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騎士様は私のボディーガード

第14章 騎士様、私の両親を紹介します

お母さんが私を……?



「でもお母さんは本当は、再婚したかったんですよね……」

「……どうでしょうね。酒井が病室に来てベラベラと話し始めた頃から、冷めたような目をしていたのは気になりましたが……」



朝比奈さんはチラリとバックミラーを見た。



「……美桜さん、落ちついて聞いてください」

「はい」

「実は病院の駐車場を出てからずっと、後をつけてきている車がいるんです」

「えっ……」

「おそらく酒井でしょう。あの手のタイプは拒否れば拒否るほど、しつこいですからね……」

「なんで私を……?」

「再婚できなくなったからです。再婚して一緒に住めば、あわよくば……と思ったんでしょう」

「……っ」



やめてよ、本当にっ……
酒井さんはお母さんを愛してるんじゃないの!?



「仕方ありませんね……。美桜さん、少し乱暴な運転になりますので、しっかり掴まってください」



私は言われたとおり、後部座席の取っ手に掴まった。
瞬間、車はぐんっと加速していく。



チラッと後ろを振り返ると、赤いスポーツカーがどんどん離れていくのが見えた。しかしホッとしたのも束の間、すぐに距離を縮めて煽ってくる。



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