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騎士様は私のボディーガード

第14章 騎士様、私の両親を紹介します

「あ……朝比奈さんっ!」



どんどん迫ってくる酒井さんの姿に恐怖を覚えながら、慌てて前方を見る。
すると、交差点の信号機が青から黄色に変わろうとしていた。



「曲がります!」



朝比奈さんは減速することなく、交差点に侵入する。そして右に曲がるのかと思えば、急にハンドルを素早く切ってUターンした。



「きゃああああっ!」



キキィーーーッ!と車が悲鳴を上げる。
体が大きく左右に振られ、取っ手を握る手に力が入る。



「美桜さん、大丈夫ですか?」

「はっ、はいっ……」



朝比奈さんは私を気遣いつつ、バックミラーを確認する。



真っ直ぐ行くと見せかけて、強引にUターンしたから追いかけてはこれないはず……と思いきや、赤いスポーツカーは白い煙を立てながら同様にUターンしてきて、私は恐怖に震えあがった。



「……どうしてっ……」



この異常なまでの執着に、頭が追い付かない。
きっと掴まったら何されるかわからない。
朝比奈さんも危ないかもしれない。



「美桜さん……このままあなたのアパートに戻るのは危険ですので、とりあえず社長の家へ行きますね」

「えっ、乙姫社長の家ですか!?」

「そこでなら、シリウスとも合流できるので」




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