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騎士様は私のボディーガード

第15章 騎士様、あなたは誰ですか?

「どうする? このままベッドに行くか?」

「い、行かないっ……。ここではしないって言ったよね」

「ここでは? じゃあミオの部屋に行くか?」

「えっ?」

「俺たちが沢山愛し合った、ミオの部屋で」

「……っ」



でも私はその記憶を持っていない。
シリウスと出会った記憶も覚えてないのに、そんなのシリウスが辛くなるだけじゃないの?



「俺は、ミオを抱きたい」

「!」

「記憶がなくてもまた俺のことを好きになったように、愛し合えばきっと──身体が覚えてるはずだって」

「……シリウスっ……」



ああもう、逃げられない。
ううん、シリウスを好きな気持ちが溢れだして、もう止まらない。



「シリウス……。私……私もっ……」



シリウスは私の唇にそっと口付けると、私をお姫様抱っこした。



「行こう、ミオの部屋へ」



そう言ってシリウスは私をお姫様抱っこしたまま、等身大鏡のある部屋へと移動した。



「まさか……」

「しっかり掴まってろよ」



シリウスはそのまま鏡の中へと入っていく。
私は怖くなってギュッと目を瞑った。



怖い──。
でもシリウスが側にいるから、あの時よりは怖くない。
あの時よりは?
あの時って?



目をうっすら開くと、青い空と一面に広がる草原が見えた。
そして遠くの方に西洋風のお城が見えた。



ここは───どこ?





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