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怒気をはらんだカエルの声に、ウサギは空中に浮かんだまま目を細めた。

「お前、今までどこに居やがったんでぃ！」

「ん？ずっと居たよ？」

ウサギはしれっと答えると、シルクハットのつばを指で撫でた。

「２人っきりで愉しそうだなーって」

「愉しそう？」

そんな雰囲気でもなかったと思うけど。

ってか、ずっとってどういう事？

首を捻る私に、ウサギはふふんと笑いかけると

「あんまり気をゆるさない方が身のためだよ」

「え？」

何の話よ!?

それに、誰に対しての話？

ポカンと見返すと、ウサギはやれやれと呟いてカエルを指差して

「コイツ、痴漢だから」

「はあ!?」

カエルが抗議の声を上げた。

それに対して、ウサギは薄ら笑いを消すと

「だって、精霊つかってこの子の体を触りまくってただろ？」

「…っ！お前…っ!!」

カエルは私とウサギに何度も視線を投げ掛ける。

かなり焦っている様子に、言い掛かりじゃないのだと理解は出来た。