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お話の続きは異世界で

第13章 夕焼け空に星ひとつ

「リンリーン!大変大変~!!」

体育祭の練習の後。

部活もないので、このまま帰宅しようとしていた所に、タンタンが駆け込んできた。

あ、タンタンって言うのは、和泉萌歌(いずみ もか)のニックネーム。

フロランタンってお菓子を『フロタンタン』って言ってたのがきっかけ。

面白がって『タンタン』って呼んでいたら

『じゃあアンタはリンリンだ』

と謎の逆ギレにあい…

結果、パンダのような呼び名が定着してしまったんだよね。

タンタンは身長150センチ位の小柄で、文芸部には似つかわしくない位動き回ってるイメージの子だ。

走って息を荒らげるタンタンを、夕陽が朱を帯びた金色で縁取る。

「すっごいピカピカ…」

呟く私に、タンタンは眉をしかめた。

「はぁ!?何言ってんの!?」

「ん?夕陽がさぁ…」

窓の外にあるのはいつもの景色。

山に囲まれた、のどかな田舎の学校。

だけど今日は、山は暗く陰って稜線が極まっている。

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