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お話の続きは異世界で

第1章 佐藤くんの小説を読んだら

今日は月が綺麗だな…。

自宅の二階、東側の6畳間が私の部屋。

机に向かって南側を見れば、窓から月がよく見える。

満月に違いない。

それくらい円い。

それに大きい気がする。

ひとしきりお月見を堪能し…

意識を手元に戻した。

表紙が青色のルーズリーフノート。

パラパラとめくれば、中はビッチリと手書きの文字で埋められている。

ゴシック体のような、四角ばった筆跡の文字。

佐藤くんの字、だ。

「参ったなぁ」

頬杖をついていた手で頭を抱える。

「何であんなこと言っちゃったんだろ」

口からもれるのは後悔と愚痴。

そして、その原因は…このノート、だ。

「本当は嫌だったんじゃないかな。偉そうな態度しやがって、なんて思われてたりして」

事の始まりは、今日の部活中。

文芸部で年イチで発行してる部誌の話をしていた時。

「俺、ヤバいかもしんねー」

佐藤くんが笑いながら言ったの。

「ヤバい?」

「間に合わねーかも」

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