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お話の続きは異世界で

第1章 佐藤くんの小説を読んだら

「何で!?」

「詰んだ」

「は?」

「動かねーの。もー、どう仕様もない」

あーあ、とか言いながら、青い表紙のノートでパタパタと顔を扇いでる。

佐藤くんの創作ノート。

扇ぐための物じゃないでしょ!?

「今さら他の話書いても間に合わねーだろうし…今年はパスするわ」

あっけらかんと笑い話のように言われて、頭に血が上る!

パス!?

そんなの…

「そんなの、駄目!」

立ち上がって、机越しに佐藤くんを睨み付ける!

「毎年、卒業する先輩に贈ってるんだから!全員で書かなきゃ意味がない!」

私の剣幕に、佐藤くんは毒気を抜かれたようにぽかんとして…

はぁ…と大きくため息を付いた。

「…だからって、書けねーもんは」

「見せて」

右手を佐藤くんへ差し出す。

「は?」

「書けてるとこまで見せて」

差し出した手を青いノートへ向けると

「やだよ」

佐藤くんは慌てて、扇いでいたノートを手元に寄せた。

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