テキストサイズ

お話の続きは異世界で

第16章 運命の出逢いを果たしたら

しばらくしたら、男の人が私の肩をポンポンと叩いて、慰めるように話しかけてきた。

「あなたが選んだのは『佐藤くん』ではなかったんだね」

え?

「佐藤くんを知っているの!?」

「いいえ。ただあなたがその名を切なそうに呼んでいるので」

そう言って、眉を下げて悲しげに私を見てる。

これはひょっとして…同情してくれてる?

だったら、もしかして…

「そ、そうなの!だから代えて」

「でも!選んだのは自分なのだから」

私の願いを遮ってそう言うと、男の人はニヤリと口角を上げた。

「その責任をとらないと、ね?」

責任?

言っている意味が分からない。

ポカンとしていると、男の人がさっきの人形――って言うか、材料?――を持ち上げて

「駄目ですよ。大事にして下さい」

そう言いながら、私の左手にその材料を握らせた。

「あなたが選んだ、運命の相手なんですから」

はい?

何言ってんの?

そう言おうとしたその途端。

私の手が光り出した!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ