テキストサイズ

お話の続きは異世界で

第2章 異世界へ飛ばされて

涙がこみ上げてきて…

でも、こんな事で泣きたくなくて、必死で堪える。

すると信さんが何かを思い付いたようで、「あ!」と声を上げた。

「そうじゃ!神の使いであるならば、徳を積めば良いのではないか?」

「徳?」

…って、何?

首を捻って信さんを見る。

疑問が多すぎて、涙なんかどこかに消えてしまった。

「世のため人のため。良い施しをすればおのずと徳を積むことができる」

信さんは人差し指を立てて、どこかの教師のように話し出した。

「さすれば…帰れるかもしれぬぞ?」

にかっと笑って見せるけど…

私の心の中は、どんよりとしていた。

なんか…宗教の説法みたい。

ものすごく、もんのすっごく、胡散臭い!

徳って何?

積むって、ポイント制なの!?

何ポイントになったら帰れるのか、さっぱり分からないんだけど!

……だけど…

「それなら、ついて行ってもいい?」

私の問いに、信さんは大きく頷いた。

「もちろん」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ