テキストサイズ

お話の続きは異世界で

第18章 脱がされるんじゃ堪らない

「ちょっと待ってよ」

その話を聞きながら、段々と自分の顔が強張っていくのを感じた。

「元の世界に戻る方法が分からないって…マジで⁉」

目の前の、男の人の背中に問いかける。

「いつの間にかここにいたんだ」

なんてことも無いとでも言いたげな、軽い口調。

違う世界から来たのは私と同じなのに、どうしてこんなにも違うの⁉

思わず眉を寄せてしまう。

そんな私の横で、カエルは足を組んで、膝に肘をついてこっちを見ていた。

「どうやって来たかが分からない以上、戻る方法なんか分からない」

「えー…」

肩をすくめながらも、男の人のペダルを漕ぐ足取りは変わらなかった。

少なくとも、戻れない事に不安も不満もない、って様子に見える。

でも…そんなのアリ⁉

口元に握りこぶしを当てて、考えを巡らせる。

私はウサギに連れてこられた。

連れてこられたって言うか、空から落とされたのが原因だと思う。

だからウサギなら帰る方法を知ってるって思ってるんだけど…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ