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お話の続きは異世界で

第3章 薬草探しの途中で

「当ては?」

「そんなの…ない」

だけど行かなきゃ!

それに、ウサギも言ってた。

『全部集まったらどうなるのか…楽しみだな』

ウサギはそれを楽しみにしている。

全部集めたら、必ず私の前に現れる。

逆を言えば、集めるまでアイツは逃げ続けるかもしれない、って事。

「集める…絶対!」

涙も引っ込んだ。

決意をあらわにして信さんを見上げると

「ならば…薬草と共に探すか」

え!?

「ここでお別れかと思った」

「寂しいことを言うのぅ」

信さんは顔をしかめると

「おりんはワシの仲間じゃろう?」

そう言ってニヤリと笑う。

「信さん…」

なんていい人。

なんて優しいんだろう。

「ありがとう…」

信さんに1歩近付く。

信さんが手を伸ばして…

すると

「ウサギー!てめぇ何処行きやがったー!!」

どこからか叫び声がした!

驚く私を、信さんが庇う。

音のする方を警戒しながら考える。

今…ウサギって言ったよね…?

段々と足音が近付いてきた。

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