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先生、俺が教えてあげる。キスも全部

第2章 テスト時間


バッと囁かれた耳を片手で抑え佐伯から離れるとクスリと小さく笑ってネクタイから手が離される。


「っ〜〜!!お前っ…!」

「クスクス…本当いい反応してくれるね。恋愛してきたって言ってたけど…ウブ過ぎない?」


揶揄うような言い方をされ、顔がどんどん熱くなる。

面白がりやがって〜〜っ…


「佐伯、いい加減にっ…」

「さっきも言ったけど諦める気は無いから。じゃあね、先生。」


無表情とは程遠い薄笑いを浮かべて教室を去っていく佐伯を見て唇がわなわなと震える。

何なんだよっ…一体っ…

しかも…あんな…っ


普段の佐伯とは違う、低くてでも甘さを含んだ声色。


初めて聞いた声に未だに耳が熱くて…。

そんなふうに思う自分にイライラと嫌悪感とで…。

最悪だ…。



何が諦める気はない?

可愛い?

好きだと…?



あの笑みが頭に浮かび、ピシリと額に血管が浮かぶ。



絶対、流されねぇ…!!!

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