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先生、俺が教えてあげる。キスも全部

第3章 最悪な補習時間


宣言されたあの日以来、何とか授業をやってはきたが…
ついに…この日がきてしまった。


デスクに置いてあるテスト用紙。
そして補習の時間が…。

結局、全員のテスト用紙を採点したが佐伯以外…追試と補習しなければいけない生徒が居なかった。

ギリギリの奴もいたが佐伯程、酷い点数は取っていない為…補習は無し。

佐伯と二人っきりは…避けたいが…
こればかりは何ともならない。

まあ…普通にしていればいい。隙さえ作らなければああやって言ってきたりとか無くなるだろうし!

うんうんと頷いていれば、授業の準備をしている村瀬先生がこちらに来てデスクに置いてあるテスト用紙に視線を向けた。


「あれ?佐伯じゃん。珍しい点数を取ったな。」

「…あ、村瀬先生…。そうなんですよね…彼にしては取らない点数なのでびっくりです。」

「だよな。俺の数学のテストでもこんな点数は取ってないし…今回は苦手な問題があったのかもしれねぇな。」



ん?村瀬先生の数学は…ちゃんと今まで通りの点数が取れてるってことか…?

なら今回はどうして…。ただ単に苦手な問題があったからっていうのは有り得るかもだけど…

授業聞いていなくても今まで成績や点数を落としたことなんて無かった。

それに…この様子だと俺だけの科目だけ点数が落ちているんだと思う…。

なんか…嫌な予感がする。

ゾワッと背筋から悪寒が走り小さく身震いして軽く笑みが引き攣る。

それを見た村瀬先生は「大丈夫か?」と心配そうな顔で言うが俺はなるべく笑みを張りつけ…


「大丈夫です…!すみません、ちょっと考え事してて…」


と言うと村瀬先生は少しだけ納得いってないような顔をしたけど肩にポンと手を置き「何かあったらいつでも言えよ」と言って職員室を出て行った。


ふぅ、と息を吐き次の授業で使う教科書を持つ。

あれこれ考えても仕方ないよな。。

よし、行くか。

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