先生、お願い…早く治して(番外編)
第8章 受付嬢らんの初恋×高梨先生
その後、何度かすれ違う度、先生は「らんちゃん!お疲れ様!」と声を掛けてくれ、名前を覚え呼んでくれる事だけで、私はとても嬉しかった。
初めて廊下で会話を交わしてから1ヶ月位経っただろうか…
先生方からも以前よりも仕事を頼まれたり、話す事も増え、仕事とは言え、直接会話出来る事が嬉しかった
あっ、高梨先生だ!
心の中で叫んだ!!
高梨先生は私達が普段いる受付に現れた
高梨「みんな、お疲れ様〜!」
スタッフ「高梨先生〜!!お疲れ様です!」
みんな口を揃え、キラキラした目で高梨の方を見つめている
高梨「今日もみんな可愛いね〜!」
「もう〜先生ったら〜!」「冗談ばっかり〜」
毎回こんな軽いキャラだが、
なんだかんだ、みんな嬉しそうだ…
もちろん私も嬉しいよっ。
冗談だって分かっても…女子はそういうもんでしょ!
高梨「あ、らんちゃん!」
らん「え?あっ、ハイ!」
高梨「今日の夕方頃入院している田口さんのお父さんがいらっしゃるそうだから、ご案内宜しくね!」
らん「はい。分かりました!」
高梨「あっそれと、らんちゃんはイタリアンとか好き?」
カウンター越しに肘を突き目線を合わせられた
らん「え??あっ、はい…普通に好きです。」
高梨「良かった!じゃぁ今度一緒にご飯でもど??歓迎会をかねてさっ!」
らん「……?」
あまりに想定外の誘いに、思考停止。
言葉が出てこない。。
高梨「 あ?!ごめんっ、彼氏いるのに誘われても困るよね!」
らん「いやいやいや…彼氏なんかいないですし、困るも何も、むしろ嬉しいです!!」
早口で全力否定する私に、高梨先生はプッと吹き出し笑った
高梨「はははっ、良かった!じゃぁ来週の金曜日とかどうかな?誘っておいて、もしかしたら急患とかお産が入るとドタキャンの可能性もあるけど、どお?」
らん「はい!私はいつでも…大丈夫です。」
高梨「じゃ、とりあえず来週の金曜日仕事終わったら行こ!予定空けてて!」
先生は慣れた感じで軽くウインクすると、診察室へと戻った