先生、お願い…早く治して(番外編)
第13章 受付嬢らん…高梨先生は不在
いやでも時間は過ぎる
ご飯なんて、食べる気にすらならない
それでも夕飯は運ばれてくる
ほんの数口、おかずを口に運ぶが、出るのはため息ばかり。。
結局ほとんど手付かずのまま返却してしまった。
はぁ〜。。。
しばらくすると、部屋に放送が流れる
夜の診察のアナウンスだ
一気に心臓が高鳴る
「間も無く、夜の回診が始まります。ただ今、高梨先生は出産立会の為、本日は石川先生が回診致します。皆様、ご準備しお待ちください。」
コレは想定外だ…
考えてもいなかった
夜の治療はないって事?
一気に気分が軽くなった
アナウンスから40分位経っただろうか…
完全に気を抜いていた
トントントン…
失礼します。
看護師の佐藤さんと石川先生が入って来た
え?
ドキドキっと心臓が波打つ
佐藤「観月さん、こんばんは。お熱何度でした?」
らん「えっ…っと。すみません。まだ…」
高梨先生が不在故に、自分の所には来ないと思っていた。。
石川「どお大丈夫?痛み出てない?」
そう言いながら、顔を覗き込まれ
さりげなくオデコに手を当てられた
らん「……っ、は、はぃ…///。
恥ずかしさで少し視線をずらした
石川「うん。良かった。」
先生はニコっと笑った。
石川「でもまだ少し熱っぽいね。食欲もないみたいだし…。ふらふらしないかい?」
らん「だ、大丈夫…です。」
石川「佐藤さん、熱だけ測っといてくれる?」
佐藤「分かりました。」
配属された時でさえ、挨拶程度、もちろん仕事では何度か会話する事はあったが、それはあくまで仕事の事。。院長先生とこんな風に話すなんて…
石川先生は高梨先生とは違うタイプのイケメンだ。
高梨先生は産科という女性に囲まれた所にいる為か、女性ウケする柔らかい雰囲気を持っており、圧倒的なコミュ力を併せ持っている為、女性が群がる程の人気だ
石川先生はというと、、大学まで成績は常に学年トップの超イケメン。王子様の様な優しい彼だが、実はS気質あり。
院長という立場上、身なりに空きがなく時折近寄り難い程の厳しい顔をする時がある。
だが、患者さんと接している時の先生は、いつもにこやかで優しい。