先生、お願い…早く治して(番外編)
第4章 牧野の娘 治療編
石川「それに、これから先ずっと、好きな人が出来ても感じられない。やっぱり治療しなきゃ治らないんだ…。でも俺に言われた治療を想像すると怖い、やりたくない、でも…って。これから先、何年もずっとその不安と恐怖に悩んで、どれだけの時間をその悩みに費やすんだろうな?」
牧野「……。」
石川「当然、牧野の気持ちも分かる。親なら当然だ。でもその先の不安を考えて過ごすより、今日治療する選択肢を、悩んだ末、ミキちゃんは選んだんだ。一番怖いのはミキちゃんだ!!それでもその恐怖に打ち勝って治療する選択肢を彼女は選んだんだよ。」
牧野「……。」
石川「牧野?」
牧野「……だよな。分かった。玄ちゃん頼む。」
石川「痛いのは数十分だけだ。あとは安心してこの先過ごせる。それにミキちゃんはとても強い!!だから大丈夫だ!」
石川はポケットから携帯を取り出すと、高梨に電話を入れた
石川「たか?悪い、今から30分だけ手伝えるか?」
高梨「はい。大丈夫ですよ。すぐ行きます。」
そしてものの1、2分で高梨がやって来た
石川「悪いな高。これから陰核の神経治療するから、手伝ってくれ。」
高梨「はい、どっちですか?電気?」
石川「いや、そっちは効かなかった。」
高梨「分りました。」
石川「牧野、大丈夫だよ。俺たちはプロだ。」
牧野「うん…。」
石川「ただミキちゃんの泣き叫ぶ声や、お前に助けを呼ぶ声が聞こえるかもしれない。…いや、多分そうなる。聞きたくなければ、この部屋から出てろ!」
牧野「……いや。。ミキが頑張るのに俺が逃げるのは嫌だ。ここにいるよ。」
石川「…そうか、、分かった。ただ、俺たちは慣れてるが、お前はそんなの慣れてないんだから。無理するなよ。」
牧野「あぁ分かった、ありがと。玄ちゃん、高梨先生…ミキを宜しくお願いします。」
牧野は石川と高梨に頭を下げた。