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中出し家族。

第15章 絶望と希望



麻衣香「…」

北川「…っ、麻衣香様、私」

麻衣香「…!!」


一瞬、口を噤んだものの
麻衣香に何か伝えようとした北川
だけどそんな二人の前に思いがけない人物が現れ…


道久「…」

麻衣香「道久さん」

北川「!?」


話しは一時、中断された…


道久「お久しぶりです」

麻衣香「本当に、道久さんなの?」

道久「はい」

麻衣香「道久さ…」

北川「…」


現れたのは道久だった
道久は鬼崎家の長男で少し前まで
この家で暮らし麻衣香を妊娠させる為に
頑張っていた

だけど少し前にこの家を出て行き
会うのはそれ以来だった


道久「挨拶もなく出て行ってすいません
色々あって…」

麻衣香「色々、ですか…」

北川「…」

道久「麻衣香さんは」

麻衣香「…」

道久「元気そうでよかったです」

麻衣香「っ…」


気を遣ったのか
麻衣香の顔の痣には触れず
あの頃のように普通に接してくれた道久

だけど…


麻衣香「…」


今の麻衣香には道久のその対応が
気に障り思わず…


麻衣香「本当に、本当にそう見えますか
元気そうだって」

道久「えっ」

麻衣香「こんな痣だらけなのに」

道久「麻衣香さん…」

麻衣香「道久さんが出て行ってから私が
私がどんな思いで生きてきたか」

北川「麻衣香様!!」

麻衣香「私がこうなったのも全部、全部
道久さんのせいよ!!道久さんがあんな
あんな薬渡さなければ…」

道久「!!」

麻衣香「私、わた、っう…」

北川「麻衣香様…」

道久「…」


感情的に泣き叫んでしまった


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