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麻衣香「…」

北川「では、ゆっくりお休みください」

麻衣香「…あの！！」

北川「はい」

麻衣香「どうして、どうして言わなかったん
ですか、道久さんが来た事…」

北川「それは…」

麻衣香「…」


黙ってようと思ったが
北川の考え、真意が気になり
何故、何も言わなかったのか聞いてみた
すると…


北川「私なりの償いです」

麻衣香「償い？」

北川「あの日、麻衣香様は助けを求めたのに
私は旦那様に逆らう事が出来ず、麻衣香様を
助けてあげられなかった、だから」

麻衣香「北川さん…」


北川の口から出た言葉は償いだった
あの日の事、北川は今も
後悔していた…


北川「ごめんなさい…」

麻衣香「…」

北川「私が未熟なせいです…」

麻衣香「違う、北川さんのせいじゃない」

北川「麻衣香様…」

麻衣香「こうなったのは全部、全部…」

北川「…」

麻衣香「北川さん」

北川「…？」

麻衣香「私と逃げましょう」

北川「えっ」

麻衣香「一緒に逃げるんです、道久さんが
言ってたじゃないですか、あの人は平気で
人を殺すって、私も北川さんも利用価値が
なくなれば殺される、だから」

北川「…」

麻衣香「だから一緒に」

北川「私の事、気にかけてくれて嬉しいです
ありがとうございます、でも私は行きません
この家に残ります」

麻衣香「なっ、どうして！？」

北川「これが私の使命だからです」

麻衣香「北川さん…」

北川「…」