がーるず・らぶ2 ラブ・スイッチ
第4章 私の、戦い(お預けと戦う私(苦笑))
「「あのね」」
・・・え?!
雫と言葉が被った??
私がびっくりして目をパチクリさせると、雫はその様子を見てくすっ☆と笑った。
「杏奈ちゃん……分かった。杏奈ちゃんがおかしい理由(わけ)。
杏奈ちゃん、失恋したんでしょ?」
・・・・・。
・・・・・・・。
・・・うん。まあ……間違っては、いない、けど……。
いや、まだ、振られたわけでは、ないんだけれども・・・。
いや、まあ、振られちゃうのもほぼ間違いは、無いんだけれども・・・。
「ほら、前、焼き鳥屋のカッコいいお兄ちゃんにあっさり振られた時も、そう言えばこんな感じだったもん」
うっ・・・。
嫌なこと、思い出してくれているなぁ……。
焼き鳥屋、というのは移動販売の焼き鳥店のことで。
そこにいたお兄さんが、超イケメン。
一発で恋愛スイッチがオンになったのだけど。
わずか三分後に失恋してしまう。
焼き鳥を受け取った直後、私達の横をすり抜けてきた男の子が「おとうさん」と声を掛けて…
その後から美人の奥様がひょっこりと現れたのだ。
告白どころか、まともな会話もする暇のない恋愛劇だった。
だから、その時は雫にそんな話すらする時間もなく終わってしまったのであえて何も言わなかったのだけれども。
あまりのことだったからか、バカバカしかったからなのか、涙が止まらなくなっちゃって、ばれてしまったのだった。
雫は、その時のことを言っているに違いなかった。
「また、いつの間にか恋愛スイッチが入っちゃって、私の知らないうちに終わっちゃったのね?」
・・・いや、違うぞ。
これは、そんな恥ずかしいやつじゃないよ。
……いや、人に簡単に言えない事ではおんなじか……(汗)
いや。
これは……貴女を好きになったんだから、そんなお笑いネタにしていい話なんかじゃ、ない!
あ〜…しかたがないなあ、もう…と言いながら会社に電話してお休み申請をする雫に、私は少しイラッ…としてしまったのだ。