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がーるず・らぶ2 ラブ・スイッチ

第4章 私の、戦い(お預けと戦う私(苦笑))


 名四バイパスを四日市方面へひた走る車の中で、私はいつにない緊張感に包まれていた。
…いや、包まれていた、なんて言い方は正しくない。

何を話して良いのか戸惑うのもそうだけど、それよりもなによりも。

 いつもの猫を被っているかのような可愛らしさは彼女から消え去り、代わりにカーレースアニメの音楽がピッタリ合いそうな豪快な彼女の雰囲気と運転に、私はビビりまくっていた。


名4名物の朝の交通渋滞のおかげでスピードこそそんなに出ていないが、クイックでトリッキーなハンドル操作、男性顔負けの車線変更の正確さと素早さに舌を巻きながら、険しい目つきでバックミラーを睨んだりしている雫は明らかに別人だったのだ。
こんなん、話す余裕なんて無い。


「ね、ねえ、しずくちゃん?らじおいれていいかなぁ?こうつうじょおほうがしりたいわあわたしぃ」

 彼女がなにか答えるより早く、私はナビのコンソールにあるスイッチに手を伸ばす。


『・・・ミッシェルスピカの星占い…』

FMラジオから、ちょうどタイミングよく彼女が好きそうなものが流れ始めて私はほっと息をついたけど……。

『おうし座の方。思わぬハプニングにはご用心。車の運転など、慣れないことには要注意。思わぬハプニングに見舞われるかも?ラッキーカラーはワインレッド。ラッキーナンバーは7』

・・・・・ぅをい!
わたし、おうし座なんですけどっ!!
なんか、コアな部分までめっちゃ当たってない?!これっ!


『・・・獅子座の方。告白するにはいいタイミングかも?意中の方が側にいる時間が長い時は、告白チャンス!思い切ってチャレンジしてみては?思いが通じるかも?ラッキーカラーはグレー、ラッキーナンバーは4』


・・・雫はしし座。
だけど私といるってことは、想いの方とのチャンスってのは来ないわけで。

うわ〜…(汗)こういうの信じるタイプだから、この子、これからますます機嫌が悪くなるんじゃないの?!

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