がーるず・らぶ2 ラブ・スイッチ
第5章 私と彼女の「想い」
ザザ〜ん・・・。
打ち寄せる波の音と吹き抜けていく風が、身体に心地いい・・・。
私達は食後、ただ、黙って海を見ながらまったりと過ごしていた。
私の横で目を細めながら遠くを見つめる雫の横顔を見て、私の心は再びちくちくと騒ぎ出してくる。
(……あんな顔してる雫……意外と今まで見たことが無かったかも?
……良い顔してるなぁ〜…)
アンニュイていうのはああ言う表情のことを言うのかな?なんて見ていると、こちらに気がついた彼女が私の方を向いて首を傾げた。
「……ん?なあに?私の顔に何かついてる?」
「…あ。い、いや、別に……ただ、なんか気持ちよさそうだな〜って思って見ちゃってただけだよ?」
とっさに誤魔化しの言葉をだしたものの…嘘ではなく本当にそう思って言った言葉だったから彼女には怪しまれずに済んだみたいで。
「うん。そうだよね〜…気持ちいいよね。
そういう杏奈ちゃんだって眼が細〜くなってたよ」
そう言うと、雫はニッコリと笑う。
なんか……そんな彼女の笑顔に更にほっこりとしてしまい・・・私の顔も自然に綻んでしまう。
そんな私を見て、彼女の顔がさらに優しい顔になり……。
そして、私の胸は、高鳴っていく。
(あああ……か〜わ〜い〜い〜♡このまんま、キスしちゃいたあぁい☆)
もちろん、そんな事しちゃったら一巻の終わり。すべてが海の藻屑になるか星の彼方へ消え去ることになる。
なまごろし・・・いや、そんなんじゃなくて、ただのお預け??
目止めがあって、見つめ合っている状況…恋人同士ならキスだって出来る距離にいるんだよ?
好きな相手とそんな事になっていて何も出来ないなんて〜!
・・・そうやって、頭の中で苦悩していると。
「杏奈ちゃん……恋バナの話、聞きたいんだったよね?」
笑顔は崩さないまま、雫は更に私に顔を近づけた……。