がーるず・らぶ2 ラブ・スイッチ
第5章 私と彼女の「想い」
雫の恋バナ……。
自分で望んで切り出したのに…なんだか、聞くのが怖くなってきた。
…もし、現在進行中で付き合っている男がいたら…?
……もし、付き合っていないにしても、好きな男がいたとしたら……?
私は雫に、どんな顔をすればいいんだろう?
私は雫の恋の相手を知って、なおそのままこの子の相談に乗ってあげられるんだろうか?
私はズルい女だ……。
自分で言い出しておいて、今、ここで逃げ出したいと思ってる。
この子にはさんざん、私お恋の悩みを相談したっていうのに……。
聞くのを回避…手っ取り早いのは話を逸らすかトイレへ行く振りをするかしてタイミングをずらして、戻ってきたら別の話題を振る……。
それしかない。
「あ、あのね?雫…私、ちょっと…トイ」
顔を逸して立ち上がろうとした時だった。
彼女の左手が、私の右頬に伸びてきたかと思った途端。
ふわん…
ほんの一瞬の出来事だった。
彼女の柔らかな唇が、私の唇に軽く、触れたんだ。
「・・・・・え?」
「・・・キス、しちゃった☆」
・・・・・え・・・え?・・・・・え?!
ペロッと下を出して、イタズラが成功した子供のようにガッツポーズまで取る彼女が目の前にいて……。
私の思考回路は完全にフリーズした。
「えへへへっ……びっくり、した?」
私はもう、ただただこくこくっと頷いて答えるしか無かった。
……い、いま……わたしとしずくは……
キス、しちゃった????
「・・・う〜ん…やっぱ、こういう反応になっちゃうよ、ね〜…」
・・・や、やっぱ??
な、なに?何がどうなってこうなったの???
……その疑問に、彼女は少し照れながらこう答えたのだった。
「私、杏奈ちゃんの事がずっと好きだったんだよ?」