がーるず・らぶ2 ラブ・スイッチ
第1章 恋愛のスイッチ
「うわあぁ〜〜……
きんもぉちいいぃ〜〜〜♬」
伊良湖岬……
私達が食事をした場所はそこにある。
【釣りバカ日誌】のロケ地として知っている人も多いこの場所は、目の前が太平洋という場所でもあって……。
つまり、海を遮る半島は無く(そりゃあ半島のさきっちょ…岬なんだから当然か…)三河湾の入り口の半島にあるわけだから、太平洋を渡ってきた風がダイレクトに吹き抜けていく。
夏の熱い時期にここへ来れば、海水浴場で遊ぶのもいいけれど…
私的にはこの潮風を身体いっぱいに浴びて自然を感じながら涼むのが一番オススメだと思っている。
フェリー乗り場の向こうへ少しだけ車を走らせれば、恋路ヶ浜と呼ばれる長い砂浜と灯台がある。
カップルが付き合い始めに来て願いながら鳴らせば叶うと言われている【願いの鐘】や、カップル同士で錠を買い、鍵をかけて、そのお願い事が成就した後鍵を外しに来ればさらに幸せになれるという【願いの鍵】を掛けるモニュメントなんかがあったりして、恋人同士で来ればさらに楽しめる場所もある。
……で、私達は食後の火照った体を冷やすためにこの伊良湖灯台まで来たってわけ。
・・・うん。やっぱりここは良いところだわぁ☆
強めの潮風だけど、夏場の暑さを忘れさせてくれるほどきもちがいい♪
それは雫も同じだったらしく、強い風に煽られて髪の毛がメチャクチャにたなびいていても楽しそうにはしゃいでいる。
そんな彼女を何気なく見て、ほんわかとした気持になっていただけだったのに……
「はしゃいでる雫…可愛いなぁ……あんなに素敵な笑顔で、無邪気に喜んじゃって……」
だれに話しかける訳じゃないんだけど、思ったことをそのまま口にした途端……。
私の心の中の、何かが反応した。
心のなかにある、けして誰も触ることが出来ない、私の中のあの、スイッチ。
それが、今までで1番激しく音を立てて
“パッチィッ…ン☆”
弾けるように、オンになった・・・。