扉を開けて AN
第6章 優しさが辛い
「と、とにかくここはマズイ、早く出よう」
「あ、うん」
まーくんの袖を引いて歩き出そうとしたけど
焦って向きを変えたせいで
慣れないヒールに足首がぐにっと曲がってしまう
「痛っ・・」
「え、大丈夫?ごめん!」
「何でまーくんが謝るんだよ・・あー・・いてぇ・・・」
「ごめん・・・あ、ニノちゃん、おんぶしてあげる」
「ヤダよ。そんな恥ずかしい事出来るか」
「だけど・・、歩けないでしょ?」
「ちょっとひねっただけだから ゆっくりなら歩けるよ」
「でも・・・あ、ちょっと・・ちょっとだけ待ってて」