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機動戦士ガンダム~砂塵の恋~

第2章 クラウレ・ハモン

戦士としてのハモンは優秀だった。

爆弾を積んだカーゴを戦艦に向けて走らせ、自らは砲台が分離できるマゼラアタックの砲台部分マゼラトップでカーゴを食い止めるので精一杯だった白いモビルスーツの後ろを取った。

至近距離からマゼラ砲をぶち込めば流石の白いモビルスーツも終わりであろう。
後にも先にもあの白い悪魔をここまで窮地に追い込んだのはハモンだけであった。

が、マゼラ砲を撃つ瞬間に敵の小型戦闘機がハモンのマゼラトップに特攻した。
マゼラトップは小型戦闘機共々爆発四散した。

ハモンは散った。
この砂漠の戦いは偉大なる恩人ランバ・ラルと最愛の女性クラウレ・ハモンを失うという悪夢だった。

仇討戦の敗北によりランバ・ラル隊は壊滅した。

ハモンが散ったのだから自分も特攻するなりして連邦に一矢でも報いて散りたかった。
しかし、モスコはと生き延びてしまった。

おめおめと生き延びるぐらいなら、あの時に姐さんと共に散りたかったとモスコは不自由そうにウイスキーを飲んで自身の手や足を見る。

生き延びたとはいえ手も足も失って義手、義足になっているのだ。

「こんな身体になってまでも生き延びたのは、俺に旦那や姐さんの弔いをしろってことかと思ってまたこの砂漠に戻ってきたというわけさ」

モスコはランバ・ラルやクラウレ・ハモンに献杯をした🥃

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