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狂愛の巣窟

第2章 【主人の会社の方と…】






鼻と鼻がくっつきそうなほど顔を近付けてさ、その甘い声で何を囁いてくれるの?




「今度の日曜、有紗…練習試合で朝から居ないって」




「うん、知ってる」




「その日は絶対俺と過ごして」




「え、練習試合でも見に行きたかったな…」




「ダメ、俺の為に身体空けてて」




「2人きりだと一颯くん見境ないから…」




「その日は抱き潰す……良いよね?」




なんて曇りのない真っ直ぐな瞳。
戸惑うくらい綺麗で歳の差忘れるほど私を射止めてくる。
だけど意地悪しちゃう私は一颯くんがどう反応するのか見たくなったのです。




「土曜はいつも享さんが寝かせてくれないけど、その後でも良いの?」




怒りに満ちた目で口内を犯してくる。
ねぇ、時間大丈夫なの?
電車乗り遅れちゃうよ?
良いの?私とこんな事してて。
あぁ……凄い、怒り全部ぶつけてくる。
息出来ないよ。




首に回した手で私からも抱き寄せる。
角度を変えて離れてはくっついて、終わりの見えないキス。
ごめん……ヘアースタイル乱しちゃった。




朝からお互い肩で息して見つめ合っている。




「十和子さん……」




そんな甘い声で呼んでくるから蜜を与えてしまうじゃない。




「日曜は空けておくね?体調崩したフリして享さんとセックスしないでおくから」




「やった……俺と一日一緒……恋人同士で居てね」




びっくりした。
そんな要望があるなんて。
真っ赤な顔して言ってくれた事、嬉しくてついキスで返してしまう。




「これ以上は本当にヤバくなっちゃうね?行ってらっしゃい」




「約束だからね?行ってきます」




ギュッと抱擁されて見送った後。
部屋に戻りクローゼットを開ける。
着ていた服が脚元に落ちて下着も着替えていく。
腿まであげたストッキングにガータベルトを着けて。




五分袖のネイビー細身ワンピース。
フロントは下までボタン仕様。
胸には同じボタンをあしらったポケット。
ブレスレットもピアスも忘れずに。
緩く巻いた毛先を揺らして肩掛けバックでお出かけスタイルが完成。




私は専業主婦です。
自由だねって言われるのは嫌いです。
家事は要領良く。
食事も育ち盛りの子供たちが居るので冷凍ストックは欠かさず作り置きしています。





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