冬のニオイ
第25章 愛を歌おう
【智side】
『智君は直感型だから感覚で答えがわかる人でしょ?
俺とか、世の中の大抵の人はさ、そういう直感をあんまり持ってないから、いちいち面倒くさく言葉で説明したり、方程式を使わないと答えにたどり着かないのかもね?』
言葉が下手で他人と上手く話せないオイラが、誤解されて落ち込んでたりすると、翔くんはよく、そんな風に言ってくれた。
『きっと共通の物差しがないと、通じ合ってる感覚になれなくて不安なんだよ。
心は目に見えないから、嫌われてるんじゃないか、って心配になるんだと思う。
そう考えると言葉って、やっぱり感情とか感覚とか、目に見えない想いを伝えるために発達したのかもしれないね?
智君はどう思う?』
『どうって……オイラはもう結構あきらめてるかな。
いっつも何考えてるかわかんない、って言われてさ。
一生懸命伝えようとしてるのに、ちっとも伝わんないんだもん。
もういいんだ。
翔くんがオイラを好きで、大事にしてくれてるのは知ってるから、俺、翔くんだけ解ってくれたらそれでいい。
仕事とかはさ、真面目にやってれば時間がかかってもいつかは認めてもらえるし』
『そう? 言葉がないと困らない?』
『困ったら、しょおくん! って想うと、いつも翔くんがこっち見てくれる。
離れてる時も、大概ちょうどいいタイミングで連絡くれるもん』
『だはははっ、そうなの?
じゃぁ、俺にも直感があるのかな。
サイキックだね』
『愛だよ、愛。
オイラ、別に学歴がなくても、時給のバイトでも、翔くんが居たらそれでいいの。
これが今の俺だし……』
懐かしいやり取りを次々に思い出しながら、翔くんの顔をずっと見てた。
「しょおくん」
オイラ待ってる。
信じて待ってるよ。
また君に会えるのを信じて待ってる。
『智君は直感型だから感覚で答えがわかる人でしょ?
俺とか、世の中の大抵の人はさ、そういう直感をあんまり持ってないから、いちいち面倒くさく言葉で説明したり、方程式を使わないと答えにたどり着かないのかもね?』
言葉が下手で他人と上手く話せないオイラが、誤解されて落ち込んでたりすると、翔くんはよく、そんな風に言ってくれた。
『きっと共通の物差しがないと、通じ合ってる感覚になれなくて不安なんだよ。
心は目に見えないから、嫌われてるんじゃないか、って心配になるんだと思う。
そう考えると言葉って、やっぱり感情とか感覚とか、目に見えない想いを伝えるために発達したのかもしれないね?
智君はどう思う?』
『どうって……オイラはもう結構あきらめてるかな。
いっつも何考えてるかわかんない、って言われてさ。
一生懸命伝えようとしてるのに、ちっとも伝わんないんだもん。
もういいんだ。
翔くんがオイラを好きで、大事にしてくれてるのは知ってるから、俺、翔くんだけ解ってくれたらそれでいい。
仕事とかはさ、真面目にやってれば時間がかかってもいつかは認めてもらえるし』
『そう? 言葉がないと困らない?』
『困ったら、しょおくん! って想うと、いつも翔くんがこっち見てくれる。
離れてる時も、大概ちょうどいいタイミングで連絡くれるもん』
『だはははっ、そうなの?
じゃぁ、俺にも直感があるのかな。
サイキックだね』
『愛だよ、愛。
オイラ、別に学歴がなくても、時給のバイトでも、翔くんが居たらそれでいいの。
これが今の俺だし……』
懐かしいやり取りを次々に思い出しながら、翔くんの顔をずっと見てた。
「しょおくん」
オイラ待ってる。
信じて待ってるよ。
また君に会えるのを信じて待ってる。