冬のニオイ
第6章 Imaging Crazy
【智side】
酷い話だ。
酒に酔ってよく知らない男とやっちゃって。
でもって、別れた男の夢を見るとか。
さいてー。
イイ年のくせして何をやってるんだか、自分で自分に呆れた。
取りあえず固まったまま様子を見てて。
オイラを呼んだ声が寝息に戻って、抱きしめられてた腕から力が抜けてから、そーっと躰を起こした。
「う、そ……」
よりによって取引先の営業マンとやっちゃったとか、いくら泥酔していたとは言え本当にどうしようもない。
「あっちゃ~……」
思わず二日酔いの頭を抱えて、短い時間にいろいろ考えたよ。
今すぐここから逃げよう、とか。
いや、取引先なんだから、それはマズイだろう、とか。
だってどうせ仕事で会うんだから、無かったことには出来ないし。
ちょっと待て、本当に合意の上だったのか?
もしかしてオイラが強引にせまったとか?
だったら目も当てられない。
男に興味がない人をオイラがその道へ引っ張り込んだとしたら、流石に大問題だよ。
「あ~も~」
自分の腰の重さから、いたしたのは間違いなかったし。
恐る恐る布団から出て自分の下半身を見たら、パンツも履いてないし、腿の内側にバッチリ紅い印が残ってる。
岡田っちから逃げて松本君からも逃げてしまったら、それはちょっと、あまりにも無責任と言うかさ。
大人としてどうよ、と思って、仕方なくシャワーを浴びに行った。
「嘘でしょ? 本当に憶えてないの?」
オイラに前の晩の記憶が無いってわかると、松本君は盛大な溜息を吐いた。
布団から上半身だけを覗かせて、顔を枕に押し付けたまましばらく動かなくて。
それから、首だけこっちに向けると、先に着替えてソファでちっちゃくなってたオイラをジロリと見た。
潤は朝が苦手で、寝起きはいつもこんな感じなんだって。
後になって、怒ってたんじゃなくて残念だっただけ、って言われたけど、そん時は知らないから、ひたすら恐縮しててさ。
「ごめん……」
オイラが精一杯反省を滲ませて言ったらまた溜息を吐いて、ベッドより高い位置にあるオイラの顔を上目遣いで見つめた。
その顔。
ぷぅ、と膨らませた頬が、懐かしい人の拗ねて甘える顔に重なって、可愛くてさ。
オイラはちょっと笑いそうになった。
唇に力を入れて堪えてると、潤がにーっこりと笑って爽やかに言ったんだ。
「じゃぁ、お詫びして」
酷い話だ。
酒に酔ってよく知らない男とやっちゃって。
でもって、別れた男の夢を見るとか。
さいてー。
イイ年のくせして何をやってるんだか、自分で自分に呆れた。
取りあえず固まったまま様子を見てて。
オイラを呼んだ声が寝息に戻って、抱きしめられてた腕から力が抜けてから、そーっと躰を起こした。
「う、そ……」
よりによって取引先の営業マンとやっちゃったとか、いくら泥酔していたとは言え本当にどうしようもない。
「あっちゃ~……」
思わず二日酔いの頭を抱えて、短い時間にいろいろ考えたよ。
今すぐここから逃げよう、とか。
いや、取引先なんだから、それはマズイだろう、とか。
だってどうせ仕事で会うんだから、無かったことには出来ないし。
ちょっと待て、本当に合意の上だったのか?
もしかしてオイラが強引にせまったとか?
だったら目も当てられない。
男に興味がない人をオイラがその道へ引っ張り込んだとしたら、流石に大問題だよ。
「あ~も~」
自分の腰の重さから、いたしたのは間違いなかったし。
恐る恐る布団から出て自分の下半身を見たら、パンツも履いてないし、腿の内側にバッチリ紅い印が残ってる。
岡田っちから逃げて松本君からも逃げてしまったら、それはちょっと、あまりにも無責任と言うかさ。
大人としてどうよ、と思って、仕方なくシャワーを浴びに行った。
「嘘でしょ? 本当に憶えてないの?」
オイラに前の晩の記憶が無いってわかると、松本君は盛大な溜息を吐いた。
布団から上半身だけを覗かせて、顔を枕に押し付けたまましばらく動かなくて。
それから、首だけこっちに向けると、先に着替えてソファでちっちゃくなってたオイラをジロリと見た。
潤は朝が苦手で、寝起きはいつもこんな感じなんだって。
後になって、怒ってたんじゃなくて残念だっただけ、って言われたけど、そん時は知らないから、ひたすら恐縮しててさ。
「ごめん……」
オイラが精一杯反省を滲ませて言ったらまた溜息を吐いて、ベッドより高い位置にあるオイラの顔を上目遣いで見つめた。
その顔。
ぷぅ、と膨らませた頬が、懐かしい人の拗ねて甘える顔に重なって、可愛くてさ。
オイラはちょっと笑いそうになった。
唇に力を入れて堪えてると、潤がにーっこりと笑って爽やかに言ったんだ。
「じゃぁ、お詫びして」