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刑事とJK

第16章 海物語



ゆうひと斉藤は後ろから3番目の列に座った


斉藤は窓側、ゆうひは内側だ


通路を挟んで反対側にシゲと吉川が座った


『海ってどれくらいで着くの?』

「2時間くらいじゃねぇの?」

『そっか』


2時間も斉藤と密着しっぱなしとか…

斉藤は肩幅広いから余計に狭い…


あたしの体力は持つだろうか?



「ゆうひちゃん、ポッキー食べる?」


『欲しーい』


シゲのおすそ分け


『斉藤も食べる?』


斉藤は肘を付きながら窓の外を眺め、
「いらねー」

と言った


なんだ、つまんないの





ゆうひは最初はシゲや他の人と楽しく喋っていたが、だんだん口数が減ってきた




ダメだ、気分悪い

酔ってきたかも…



ゆうひは前の座席を掴み、下を向いた



は~き~そぉぉ~…




「おい、平気か?」


斉藤が聞いてきた


『うん…全然…へーき』

せっかく遊びに行くのに、気分悪いとか心配させちゃだめだ



斉藤はそうか…と言ってまた外を向いたが、ゆうひがあまりにもつらそうなのでほっとけなかった


「お前、窓側行けよ。ほら立て」


『…ゴメンね』


ゆうひは前の座席にしがみついて中腰になった


斉藤は内側に詰める



その時、バスが大きく揺れた


『わっ!!』


ゆうひはつい手を離してしまい、斉藤の膝の上に座ってしまった



『ご、ごご、ごめん!!』


「お、おう…///」


慌てて窓側の席に座る





「スゲー重かった…」


『なんつったコラ…ぅぇ…気分悪い…』


ゆうひは窓にもたれた


斉藤は笑いながらゆうひの背中をさすってやった






そういう優しいとこ…ずるい…

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