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刑事とJK

第20章 夏祭り


『さすが斉藤だね、でもちょっと強引だったんじゃない?』


ゆうひはぬいぐるみを抱えて歩き出した


「あんな軟弱な銃でこんな重いもんが落ちるわけねぇだろ。
詐欺だ詐欺」


『それは言い過ぎだって、ねー、まさき♪』


「はあ???」


ゆうひはクマを斉藤の前に持ってきて、クマの手足を動かした


『"おいらの名前はまさきだぞ"』


「おい、やめろよ…んな名前」


『こいつがそう言ってるんだからしょうがないじゃん』


「ったく…///」




またしばらく歩いていくと、今度は金魚掬いがあった



『あ、今度はあたしがやる!!
斉藤、まさき持ってて』


ゆうひはまさきを斉藤に渡した


「なんかややこしいから、やっぱりこいつの名前変えろ」


『なんでよー、あんたは斉藤。こいつはまさきだよ?』


オレも正貴だ!!!



『よし、いっぱい取っちゃる』


ゆうひが金魚掬いに張り切ってる間、斉藤はまさきの新しい名前を考えていた


もう、クマで良くね?

いや、そのまま過ぎるか…



熊…熊…熊…




ああもういい!!!


お前はジンギスカンだ!!!


熊だけどジンギスカンだ!!!



『あ、破れた~』


ゆうひの残念そうな声に反応して、様子を見てみた


器の中には一匹のデメキンがいた


「一匹だけかよ」


『しょうがないじゃん、こいつ取るの苦労したんだから…』


店の人が袋に水を入れ、デメキンも入れて、ゆうひに渡した


「ほら、ジンギスカン」


斉藤はジンギスカンをゆうひに返した


『は?こいつはまさきだよ』


「いいや、ジンギスカンだ。ジンギス。」


『ええ~、熊なのにジンギスカンとか…
じゃあお前がまさきだね』


と、ゆうひはデメキンを嬉しそうに見た


「まさきはやめろよ、頼むから…」


『クマはジンギスカンで、金魚はまさき。いいじゃん』


その時、小さい男の子がデメキンを見ていることに気がついた

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