
刑事とJK
第20章 夏祭り
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ゆうひは部屋に入り、浴衣のままベッドに座った
大きく息を吸う
『殺す気かあああーーー!!!///』
顔を手で覆い、思いっ切り後ろに倒れた
その手を上に持ち上げて眺める
『手…繋いだ…///』
斉藤から、繋いでくれた…///
ゆうひはひとりでキャーキャーと騒いだ
そして一度落ち着いた
斉藤は、本当にあたしのことをどう思ってるんだろ…?
あたしは別にあいつの彼女じゃない…
じゃあ何なの?って聞かれたら、正直"他人"って答えるしかないし
でも…、例えどんな関係であったとしても…
側にいたい…
しゃべりたい…
触れたい…
ゆうひは自分の唇に触れた
はっ…、あたし今エロいこと考えた…!!??
やだやだ…
ゆうひは起き上がり、クマのぬいぐるみを棚に置いた
『お前は今日から、"ジンギスまさき"だぞ』
ゆうひは笑って、ジンギスまさきの頭を撫でた
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「……」
斉藤はソファーに横になっていた
キスしたいとか…何考えてたんだオレ…
オレはゆうひのことどう思ってんだ…?
明らかに言えることは、村上を好きな気持ちとは違うってことだ
みんなが言うように、ずっと側にいたい、抱きしめたい…、これが好きって気持ちなんだろ?
確かにオレの村上に対する気持ちに"好き"は当てはまる
じゃあ、ゆうひは?
この"好き"に…
当てはまるっちゃあ、当てはまる…
でも、おんなじ"好き"なのに…
村上とゆうひで何かが決定的に違う…
何が…?
「なんだオレ…、好きって言っちまってるじゃねぇかよ…///」
今さらながら、斉藤は自分がゆうひに想いを寄せてることを自覚した
ただ、その想いの中身である"好き"が、どういう意味を取っているのか理解できないまま…
