
刑事とJK
第22章 お前が教えてくれた
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「ほんと大きな工場ですね…」
シゲは見上げた
「どこから入るんだ?」
藤野が聞いた
「吉川にここの設計図を見せてもらった」
「見せてもらって…まさか全部覚えてるのか!?」
「ああ、こっちだ」
斉藤たちは裏に回った
すると薄いドアがあった
斉藤は迷わずドアを蹴破る
「先輩、もうちょっと慎重に…」
「るせぇ」
シゲはため息をついた
「斉藤、何焦ってんだ?」
「……、あの時のデパートと、この工場の作りは似てんだ…」
「…っ」
藤野は言葉に詰まった
村上が死んだ時のデパートと似ている…
「?」
シゲはその頃はいなかったし、刑事になってからもそんな話は聞かされたことがなかったので、意味がわからなかった
「じゃあ小泉はもしかしたら…」
「3階にいるかもな」
斉藤たちは非常階段を一気に駆け上がった
そして3階につくと、奥へ進んだ
パチパチパチ
誰かが拍手している
「やぁ、すごいすごい、2分10秒で来れたね」
「…小泉…!!」
「えっ…」
シゲは初めて小泉を見る
「こんなに速く来るとは…真っ先にここを目指したんだね。
もしかして前会った時のこと、意識してた?」
小泉は笑った
「んなことはどうでもいい、ゆうひはどこだ!!?」
「わからないなぁ」
「ってめぇ!!!」
「あぁあ、待って待って」
小泉は何かを突き出した
「これ、何でしょう?」
藤野は目を凝らした
「…スイッチ?」
「はい、そこのあんた正解。これはこの工場内に仕掛けた爆弾の起爆スイッチ」
