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刑事とJK

第26章 副担任


「あの~、斉藤先生?
あたしも教えてもらえませんか?」


クラスの女子が言った



「わかったわかった」


斉藤はその子の隣へ行った


「どれだ?」


「これ…」


「ああ、この問題は…
この角は150゜だろ?
だから円を描いてみると…」



ゆうひは驚いた


斉藤、真面目に教えてる…

意外に勉強できるんだ…!!



でもちょっと悔しい…



「――だからここは?」


「…5/6π…?」


「そうだそうだ
わかったな、偉いぞ」


斉藤はニコッと笑ってその子の頭をポンポンと叩いた


「…///」


それを見ていた他の女子は次々と斉藤を呼んだ


「斉藤先生、私ここわかりません!!」


「斉藤先生、先にあたしのを教えてください!!」



ちょっと…お前ら~


斉藤もあんまり行かないで~



「ま、待て、順番だ順番」


斉藤は近くで手を挙げている子の勉強から見ていった





悔しそうにしていたのはなにもゆうひだけではない


数学のハゲ教師もどこか悔しそうにしていた



―――――――――――


2限目は国語だった


待ってましたとばかりに女子は手を挙げる

斉藤をご指名のようだ


国語教師も、いつもとはガラリと違う教室の雰囲気に驚いた



「斉藤先生、何でこれは③が答なんですか?」


「んん?…"下線部について、この時の作者の心情は…"
ああー…」


斉藤は口に手を当てた


ゆうひは、眼鏡を掛けた斉藤が新鮮で、でも似合っていて、ずっと見ていた


「作者の心情とか、わっかんねぇっ」

「え~、先生オールマイティって言ってたじゃないですか~」

「わからんもんはしょうがねぇ。前に大先生がいらっしゃるから、あの人に聞きな、わりぃな」


問題を尋ねた子は顔を赤くして「いいえ、ありがとうございます///」

と言った




そんな感じで3限目も4限目も終わった


ゆうひはつまらなく思った


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