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刑事とJK

第41章 冬のシゲの春


藤野と真理子は、千花のことは知っていた


だから何となく、今の状況は検討がつく



「…斉藤が悪いな」



「ええ。女心がわかってない正貴が悪いわ」



二人はうんうんと頷いた



「…んだよそれ、何でオレがわりぃんだよ?」



「正貴、そう言ってる時点でアウトだからねん」



「はああ??」















そうやってしゃべっている斉藤を、千花は見つめた



シゲにはその時の千花の顔が、まるで泣いているかのように見えた



「…先輩と…斉藤先輩と知り合いだったんですか?」


千花ははっとしてシゲの方を向いた


「はい、まぁ…遠い遠ーい親戚のようなものでございます」



「さっき縁結びがどうこうって…」



「あれは…何でもない、ただの戯れ事にございますよ」



寂しそうに首を傾げる千花は、どこか色っぽかった



「あの…お名前は…?///」




「花宝院千花と…申します」




「千花さん、僕、嘉山茂弘っていいます!!」




「嘉山、さん?」



「あ、シゲって呼んで下さい!!///」



「シゲさん」



「はい!!」



「ふふ、何でもございませんわ」


「え、あ、はあ…」


シゲは頭を掻いた


それを見て千花はクスクス笑う











藤野は真理子の腕を肘で突いた

「なあに♪?」



「嘉山、顔真っ赤」



真理子はシゲを見た



「ま、ほんと
かぁわいい♪」



シゲたちの方はほのぼのとしていた

しかし、こっちはというと…



「ゆうひ、なぁ、何でそんな怒ってんだよ?」



『怒ってないし、馬っ鹿じゃないの?』




…ギスギスしていた





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