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刑事とJK

第41章 冬のシゲの春



ゆうひの手がバッと上がった


千花は思わず目を閉じた





すると、ゆうひの腕は千花に抱き着いた


「えっ…」


『うえぇ~ん!!千花さあぁ~ん!!』



ゆうひはおいおいと泣き出した


「ゆうひさん…」





千花と斉藤に何があったか…そんなことは知らない


けれど、千花が本当に斉藤のことを好きだったという気持ちはひしひしと伝わってきた




それでも、好きな人を諦め…しかし感謝して…


素直に現実と向き合えるすごい人だと思った



『千花さん…あたし誤解してました…、千花さんのこと、誤解…うっぐ、えっぐ…』


千花はそっとゆうひの背中に手を置いた



「正貴さんを…大事にしてあげて下さいな」



とても優しい声だった




『うん、うん…大事にしますぅ…』



ゆうひは千花からゆっくり離れた



「可愛いお顔が台なしですよ?」


『別に可愛くないです…』



千花は困ったように笑った



「少なくとも、正貴さんにはとても可愛く見えてるのですから」



『何でそんなに、いい人何ですかあぁ~!!』



また泣き出した



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