
刑事とJK
第8章 美人女医
消毒を終えると津森は塗り薬を出した
「坊主にして包帯巻きたいけど、髪切るのはいやでしょ?」
「いやだ」
津森は斉藤の頭の傷口に優しく薬を塗った
おとなしくしている斉藤がムカつく…
「よし、頭は大丈夫よ
他、どこかある?」
津森は斉藤の腕、腹、そして背中を軽くマッサージしていった
「つぅ…」
斉藤は顔を歪ませた
「背中ね。はい、上脱いで」
『ぇ…///』
あたしは目を逸らした
…なんで?
別に照れることないじゃん…
斉藤は上を脱いだ
「あら痛そ~
紫色どころじゃないわねぇ」
『そんなひどいの…!?』
あたしは斉藤の背中を見た
あの時、鉄パイプで殴られたときのだ
殴られた跡は、津森が言ったとおり紫どころではなく、もっと黒々しい色になっていた
「うわ、ひでぇ
でも先輩の場合、もともと血の色が濁ってるんっすよ」
シゲは斉藤に膝を蹴られ苦しんだ
よく見たら背中だけではない
全身打撲の跡があった
斉藤…こんなに殴られてたんだ…
