
刑事とJK
第8章 美人女医
斉藤が部屋を出て、残ったのはゆうひとシゲと津森だけになった
「斉藤が怒鳴るなんて、これも珍しいわね」
津森は不思議がった
「最近はしょっちゅう怒鳴ってますけどね」
「へぇ…」
津森はあたしを見た
『…?』
「僕、書類整理の続きあるんでちょっと出ますね、津森さん、ありがとうございました。
ゆうひちゃんも、ありがとうね」
シゲは丁寧に挨拶して部屋をあとにした
あたしはお礼を言われるようなことは何一つしていない…
あたしのせいで斉藤は熱を出して
あたしのせいで斉藤はあんなに傷だらけになったんだ…
全部あたしのせいで…
「あなた、ゆうひちゃんっていうの?」
『え、あ、はい…』
津森は医療道具を片づけながら話し掛けてきた
「ふふっ、斉藤って見た目はガラ悪いけど、優しいでしょ?」
『そうです…ね…』
「その優しさもすっごい不器用だけどね」
津森の顔は、さっきまでと全然違う
まるで最愛の人を見るような目をしている…
『…好き…なんですか…?』
「かもしれないわね」
津森はあたしにウインクした
ダメだ…
あたし、この人には勝てない…
…いや、別に斉藤をめぐってとかじゃないから!!!
決して!!!!
『失礼ですが…お歳は…?』
「まぁ、レディにそんなこと聞くの?」
『あぁあぁ…ごめんなさい』
「29よ、もうすぐおばさん突入しちゃうわ」
…29…か…
18と29だったら、
27に近いのは29だなぁー…
はっ
別に歳的に斉藤とどっちが釣り合うか比べてたわけじゃないから!!!
断じて!!!!
