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【リレー小説】ルイーダの酒場

第3章 マジシャン パーム

ムトはゴールドを手のひらでチャラチャラ鳴らすと、

「いや、鋼の剣を狙ってる俺としたら、はした金なんだよなぁ……でも、せっかくくれたんだし、有り難くいただくか」

悪びれてみるが、実際は嬉しかった。

「あの、すいません、そこの若者」

また後ろから声がした。
振り返ると、自分と年齢が近そうな男性だった。

「俺になにかよう?」と聞くと、「あの、マジック見てくれない?」と男は笑顔で返した。

「マジック?」

「ああ、これから1Gを両手のどちらかに入れますから、どっちに入れたか当てて下さい。誤魔化しがきかないように、僕の鋼の剣でゴールドに傷をつけます」

「は、鋼の剣!」

ムトがいま一番欲しいものだ。

ムトはごくりと唾を飲み「まった兄さん、それを当てたら、その鋼の剣を俺にくれよ」といった。男はゴールドをピンとはじくと、

「OK、もし君がはずしたら、君がもらった10G、いただきますが」

「いいだろ、やるよ」

男はゴールドを左手に握り、そのまま両手を前に出した。


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