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【リレー小説】ルイーダの酒場

第21章 芽生えた気持ち

「すまんが……それは出来ない」

「なんでだよ」

「わしの残りの体力では……勇者にしてやれる分しか残って……お、おらん」

「ちょっと待て!しっかりしろよ」

「わしはもうだめだ……このムトに勇者の光を……」カネミツは力尽きた。

「おいっ! マジかよ……せっかくここまで頑張ってきたのによぉーっ!」

レベル1の勇者となったムトは辺りを見渡した。
ふと仁王立ちになっているパームの背中が目についた。

よく見ると、パームは何かと睨み合っている。

パームの前にいるのは、土色のマントに黒い仮面で身を包んだ見た目に怪しい人物だった。

「見つけたぞ……」とパームは剣をとる。

「ん? 前にお会いしましたかな?」

「ふざけるな。きさま、モンバーバラの舞台をぶち壊したことを忘れていないだろうな」

パームは、モンバーバラの舞台でマジックショーの最中に、謎の魔導師に客と助手を奪われた。

仲間とモンバーバラでショーをした時、パームは一人、涙を堪えながらマジックショーを披露した。それは必ず、失った人々の仇をとることを心に誓うためだった。


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