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【リレー小説】ルイーダの酒場

第24章 勇者・光邦

ムトはパームの肩に手をかける。

「パームよ、これは人生逆転チャンスだぞ」

「なにを……」

「姫を嫁に貰えるんだぞ。こんな奇跡ねえだろ」

「しかし……」とパームは姫の顔を見る。

鼻だけで、土偶を想像させるようなパンチ力のある女を、姫と呼ぶのも無理があるような気がした。

きっと王様の遺伝子が9割勝利したのだろう。国王の姫というイメージだけで美しい女性を想像してはいけないのだ。パームは現実を学んだ。

すると王妃がパームに近寄ってきた。

「娘も今年40になります。気が確かでなければ、ぜひ嫁に貰っていただけませんか?」

パームは背筋を伸ばし、「王様を助けだしてからで、改めてお返事をさせていただきます」と即答を控えた。


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