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【リレー小説】ルイーダの酒場

第24章 勇者・光邦

パームは、姫に強い握力で握られた骨折れかけの手を、ぼんやりとして眺めていた。

「40でまだ姫か……イタイな」

二つの意味で『イタイ』と思っているパームに、

「パーム。何で即答しなかったんだよ」

ムトが残念そうに問うと……

「いや、姫様にはもっとふさわしい人がいると思ってな。それに実は最近、気になる人がいてな……」

パームはムトをチラッと見ながら言った。

「えっ、パームに気になる人が!? マジかよ! 誰だよ」

それを聞いたムトはニヤニヤしながら肘でパームをつつく。

「そっ……それはっ……」

パームがたじろぎながら、答えようとした。

その時――

「あらん、それは私のことかしらぁー?」

「っ、誰だっ!?」

突然の聞きなれない声に、一堂慌てて振り返ると、

ブルーのアイシャドーに、真っ赤な血の色の口紅。そして、パンクバンドもドン引きするほどのカラーファンデーションを、顔にパタパタとはたいている女……かと思いきや、

よく見たら……いや、よく見なくても、

その人物は『男』だった。


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