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【リレー小説】ルイーダの酒場

第26章 夕べはお楽しみでしたね

その頃、ムト、レミファ、テヘペロ、よくわからないまま連れて来られた光邦は……、

「どうしたぁーっ、テヘペロ! お前、尻から煙がでてるぞ!」とムトが叫ぶ横で、光邦はメイクをなおしていた。

「うがっ……うがうがぁー!
(オイラの尻が……尻が熱いぞぉー!)」

テヘペロの尻の煙は、まだ消えない。よほど強烈な何かをねじ込まれたのだろう。

「おいっ、勇者カマ野郎! テヘペロに何しやがった!」

光邦は化粧直しをしながら、「いいオケツしてたから、ちょっと愛を入れてあげただけよ。硬かったけど、深いトンネルお持ちでしたわ」と濃い唇を鳴らす。

レミファは耳を塞いでうずくまる。

「テヘペロ、今まで聞いたことのない声出してた……ずっと耳に残ってるぅ~やだやだやだ……」

「おい、オカマっ! どうしてくれる! 今から王様を助けに行かなきゃならないんだぞ! 四人パーティーで、二人戦意喪失させてどうすんだ!」

「私は関係ないじゃない。現状の整理つかないままにポコポコ展開進めないでくれる」

「落ち着いて化粧してるじゃないか」

「私なりの現実逃避よ! てか、私、以外に他にも仲間いたじゃない。なんで私よ」

「だって、勇者だろ?」

「え、ちょっと待ってなんで私が勇者なの!?」

「もういい! 俺一人で行ってやる!」

ムトは振り返って前を見据える。暗雲に包まれた山が遠くに見える。町民の目撃証言によれば、あの山に向かって飛んでいったようだ。

「待ってろよ王様、今から行くぜ」

「あんた、女でしょ。威勢がいいわね」

「当たり前だ。俺も勇者だ」


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