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【リレー小説】ルイーダの酒場

第28章 暗黒城

暗黒に包まれた城の中は、道が3方向に分かれ、どの先にも不気味なモンスターの気配が立ちこめていた。

「ねぇ、テヘペロ。王様のいる場所、わかりそう?」

「うが(ちょっと待ってね)」

レミファに尋ねられたテヘペロは、うがうがと鼻を鳴らしてみた。
そして、左の道を指さした。

「うが(たぶん、こっち)」

「すごーい、テヘペロ」

レミファにほめられたテヘペロは、照れ照れと喜んだ。

「うがうがうーが♪(オイラ、方向音痴2級なんだ。だから、自分の信じる方の逆を行けば正解なんだじょ)」

「よし」

納得して歩きだすムトの肩を、光邦はワシッとつかんだ。

「よし。じゃないでしょ?
今の会話、よくわからなかったけど、どこかおかしくなかった?」

「大丈夫だって。俺は、テヘペロを信じる」

「うが~(ムト~)」

「仕方ないわね」

左の道を少し行くと、扉にぶち当たった。

がしかし、扉には鍵がかかっている!
持っている鍵では、開けられなかった。

「残念。鍵をさがそう」

すぐさま諦めようとするムトに光邦は驚いて、口を開いた。

「この扉、木でできてるっぽいから、ちょっと蹴り入れたら壊せるんじゃないの?」

光邦の言うとおり、腐りかけてモロモロしている木製の扉は、勇者でなくとも簡単に破れそうだった。


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