テキストサイズ

美しくて残酷な世界

第4章 騒然

気づいたら、病院にいて、点滴を受けていた。

「はい、すみません。お世話になりました。」

遠くから、亜里沙さんの声がする。

私の方に近づいて来た気配がしたから、目を閉じた。

「はぁー……なんて迷惑な子なんだろう。」

聞いた事もない低い声が聞こえてきた。

「神経性胃炎?まるで私が、何かしたみたいじゃない。」

そうなんだ。

ストレス性の病気。

ふっ。笑っちゃうわ。この私がストレスだなんて。

泣きそうになったけれど、それは堪えた。

この女に、涙なんて見せたくない。

「ホント、このまま死ねばよかったのに……」

その瞬間、私は目を開けた。

じっと亜里沙さんを見ると、あの女は驚いていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ