
おはな畑
第5章 雷雨の日
神崎「みんな〜! 大丈夫だよ〜!」
女児「うわあ〜ん! かんざきせんせ〜!」
神崎「よしよし、みつきちゃん。先生来たからもう大丈夫だよ」
男児「ヒック、ヒック……」
真菰「そらくん、大丈夫だよ! 怖くないよ〜」
医師も看護師も、子どもたちを順にあやして回るが、ひとり泣くとまたひとり……連鎖してしまうのが小児というもの。
鳴りやまないナースコールと子どもたちの泣き声に、夜勤ナースと当直医は総出で対応。
神崎が言ったとおりのお祭り騒ぎで、天候が荒れる日はこの光景が小児科の名物。
医師「よしよし、大丈夫だよ〜」
そのうち他科からも応援が来るものの、病室の子どもたちが一斉に泣き出すのでは、医師も看護師も手が足りず。
本当に処置が必要になる子も中にはいるが、症状に問題なく雷雨におびえているだけの子は、落ち着くまで明かりを付けたプレイルームに集めるのが暗黙のルール。
真菰「ももちゃ~ん、怖かったね。私と一緒に明るいお部屋行こっか!」
泣く子を順にプレイルームへ連れ出すのは真菰。
神崎「お、ももちゃん来た! 怖かったね、もう大丈夫だよ!」
女児「かんざきせんせっ、ヒック、ヒック」
神崎「うん、大丈夫大丈夫。かみなりさんすぐどこかに行くからね。お友だちもいるからもう怖くないよ。みんなで一緒にねんねしよっか!」
プレイルームの担当は神崎で、数人の看護師とここで子どもたちを寝かしつけ、深い眠りに入った子から順に部屋へ戻すことになっている。
五条は診察や処置を担当するも、五条でないと嫌と聞かない子に手を取られている様子。
医局長のりさも自ら各部屋を回り、その場で落ち着く子は落ち着かせ、プレイルームに行く子は連れて行き、各々子どもたちの対応に当たる。
