
おはな畑
第2章 キスマーク
神崎「キスマークって、何個あったんですか?」
五条「ちょっ……! 神崎先生、何言っ……」
藤堂「首から胸にかけて7つ。数というより、まぁ数もだけど……とにかく真っ青になっちゃってて。ひなちゃん内出血しやすいんだから、吸う力加減しないと」
あっけらかんと聞く神崎先生に、平然と答える藤堂先生。
今日の午前中、ひなは定期健診を受けていた。
旅行のことをあれこれ聞かれるのは覚悟していたが、ひなに探りを入れられていたとは……。
ひなの診察してんだから当然だが、頭になかった。
神崎「7つって、藤堂先生も相変わらずよく見てますね〜」
藤堂「当然。主治医だからね」
ウィンクして見せる藤堂先生のその目から、星屑がいくつか飛び散っていく。
……なるほど。
このなんとも言えないキラキラ感に、ひなはいつもやられるわけだ。
確かに、これなら仕留められるのもわからなくないな。
キラキラ王子というより、キラキラー(killer)王子……って、そんなのはいいんだ。
