テキストサイズ

三匹の悪魔と従者たち

第9章 地上の月


****

「おい、今日もゾフィーは休みか」


今朝は早くから、城の宿舎と併設している食堂へとゴウキは向かった。
部下へ早速に声を掛けてはみたものの、モグモグと口を動かしながらその彼が言った言葉は、ゴウキを落ち込ませた。


「ゴウキ様。 昨晩は来てたんだけど。 彼女から聞いてません? 有給ですって。 しばらく田舎に帰るとかなんとか」


それにはなにも返さず………というか、返す気力がなかったという方が近い。
そこを出た城外の壁にもたれかかり、彼は頭を抱えた。

あれから、あの舞踏会の夜から、ゴウキはゾフィーに会っていない。

その時交わした内容はこうだった───────……






ストーリーメニュー

TOPTOPへ