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三匹の悪魔と従者たち

第10章 再び王の間へ



ジン、それからユーゴは同時に、中央に胡座をかいていた長男を指差した。


「は?」まるですでに他人ごとのような体でここの話を聞いていたゴウキが、ぶんぶんと首を振り、弟たちを交互に見た。

「妥当だよね」そうジンが言い、「やっぱりね」と、ユーゴが続ける。


「ユーゴが王なんかになったら早々に過労死しそうだからねえ」

「それは言えるわ」


アイシャがジンの言葉に同意した。
元々が自分を顧みない働きもので、頼まれごとなどを断れない性質のユーゴである。


「なんだかんだ言って、ジン兄さんも繊細過ぎてきついんじゃないかなって」

「お前って人知れずストレス抱えるタイプだろ」


兄弟の言葉にジンが微笑んだ。
そんな彼の様子はみたことはないものの、自律に富み物事が見え過ぎる彼に、そんな側面があるのは否めないだろうとの、兄と弟の思いだった。


なんとも慈愛に満ちた、彼らの選択である。



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