三匹の悪魔と従者たち
第3章 ジン × ルナとアリス
彼女たちを交互に可愛がる今晩のやり方は、保ちという点でなかなか良かったのかも知れない。
アリスのそんな様を見てまた欲が湧いてくるが、ジンはそれを堪えた。
これ以上するとしばらく出来なくなる。 そう考えたからだ。
ちなみに彼がセックスにしろ余所事にしろ、自制心に長けているのは、その強過ぎる精力所以である。
(正直、足りないんだよね ……ま、この点はゴウキやユーゴも多少は同じだろうけど)
別に母親みたいな悪女ではなくとも、それこそ飽くまでやり倒してみたいものだ。 ともジンは思う。
それが結婚相手ならもっと良い。
自分と同じに美意識を持ち、性に際限のない女性。
しかし、そんな女はこの世にいるのだろうか。
ドワーフは生真面目過ぎるし、雌雄両性を持つ天使とはそもそも相容れない。
エルフはアリスは例外としても元々は淡白だ。
人族は個人差があるし、するとやはり同族に限るのだろうか。
腕を組んで出窓に腰を掛けている、程よく上半身を鍛え上げた銀髪の美青年。
その憂いを含んだ彼の姿にルナは見蕩れていた。
(ジンは随分大人になったわ。 きっとこれからの王政のことでも考えているのね)
そんな彼を見詰めて彼女はぼんやりとそう思った。