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三匹の悪魔と従者たち

第5章 ユーゴ × アイシャ



「ふう……相変わらず騒がしい」


「お役目もありますが、アイシャは女性としてのプライドが傷付いているのですよ。 ユーゴ様に全く相手にされないから。 アイシャがお嫌いで?」

「そういうのは仕事じゃなくて、本来の好きな異性に捧げるのが正しいでしょ。 僕なんかじゃなくってさ。 大体僕はこんな古臭い制度には反対なんだよ」

「今城はこの話題でもちきりですが………聞けば王子…ユーゴ様は結婚相手を探さなければならないとか。 悪魔族ならば、女性のひとりやふたり上手く扱えるようにならなければなりませんよ」


親より長い時間一緒にいた側近にたしなめられて、ユーゴもさすがにバツの悪そうな表情になるものの、こんなのは考えてもどうにもならないことだ。


「そうは言ってもね」


他の兄たちのように、王子には従者として歳上の女性を与えられるのが通例である────────それがなにを間違ったのか、七年前に当時13歳のユーゴに与えられたのは10歳のアイシャだった。
「末っ子だからもう面倒だったんだろうね。 あの父さんのことだから」ユーゴはそう解釈している。


「だけどいくらなんでも、魔族の子供が天からの授かりものとか有り得ないってば」


そりゃあ、ルナさんのレベルの大人の女性なんて滅多にいない。 しかし実際ジン兄さんも滅茶苦茶モテるしルナさんに好かれている。

ゴウキ兄さんはゾフィーさんとは色々と趣味が合うようだ。 少し毛色は違うが、ああいう関係もいいとユーゴは思う。



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